当初は自社刊行物の囲い込みの意識が強かったが、1992年の
ちくま学芸文庫創刊からは、学術的なものはそちらに回して、一般書の比重が高くなっている。また、個人全集に強い版元のありかたを利用して、文庫サイズの個人全集(
芥川龍之介・
森鴎外・
太宰治・
宮沢賢治など)が充実しているのも特色である。全て分売されるので、読者は好きな巻だけを買うことができ、宮沢賢治の場合は童話の収録された巻の売れ行きがよく、詩集の収録された巻は弱い
[岡崎 (2000)、233頁。]。ただし、刊行後20年以上を経過しているので、品切れになっているものもけっこうある。また
マルセル・プルーストの『
失われた時を求めて』を文庫化している点も特筆されるべきである。