マルグリットはこの作品を1542年から執筆し始めた。本来は『デカメロン』のように、1日毎に10話が語られる全10日の物語が構想されていたが、1549年に彼女が没したことによって途絶してしまった。完成を見たのは、八日目の第二話までである。
この作品が最初に公刊されたのは、1558年のことである。この年に
ピエール・ボエスチュオーが『幸福な愛人たちの物語』という書名で公刊した。ボエスチュオーは、公刊にあたり、大幅な編集を施していた。扱われている短編は67篇だけである上に、配列が組み換えられ、本来存在していた日付ごとのまとまりも放棄された。加えて、各短編を繋ぐやりとりも省略された。