近代以前は貴族を中心とした
土地・
農業利害が主体であったが、近代以降は、次第に
金融利害へと重心を移していった。
中流階級や
労働者階級と違いその構成は血縁・姻戚関係による高い同質性を持つことが多く、子孫に特権的な地位を継承することが可能である。日本を含む幾つかの
先進国では法的な身分としての上流階級は解体されたが、
イギリスでは依然として上流階級としての貴族・ジェントルマン階級は健在であり、
アメリカの様な貴族制度の存在しない国でも
ケネディ家や
ロスチャイルド家、
ロックフェラー家などに代表されるように上流階級の存在が顕著な場合もある。
歴史的にイギリスの上流階級は貴族と身分的には
ジェントリ(平民地主)によって構成されてきたため、地主貴族(landed aristocracy)あるいは
ジェントルマン階級とも呼ばれる。イギリスは二院制の国だが、貴族の代表からなる貴族院と平民地主の代表である庶民院というのがその始まりである。19世紀に選挙法改正が進んだが地主優位は変わらず、結局、ジェントルマンたちは16世紀ごろから20世紀初頭まで事実上の支配階級としてイギリス社会に影響を及ぼし、スクワイアラーキー(地主支配体制)と呼ばれる体制を築いていた。労働を軽視し、地代・株式などの不労所得を重視したため、製造過程と関連の深い産業資本家を排斥したものの、地主だけでなく大貿易商や国教会高位聖職者、内科医、高級軍人、銀行家などを時代とともに体制に取り込んできたことと、支配階級としての正当性を示すために積極的に責務を務め、犠牲を払った(少なくともその姿勢を見せ続けた)ことが体制維持に寄与したと言われる。積極的に従軍したことが裏目に出て、第一次世界大戦を境に衰退。ただし支配階級ではないものの、現在でも伝統の担い手としての上流階級は健在である。
・Scott,John. Marshall,Gordon.ed. Dictionary of Sociology(Third Edition). Oxford UP:Oxford. 2005