執事(しつじ)は、一般に事務を管轄する者を意味し、高位の人物の家や寺社で家政・事務を執りしきる者を指す。日本語の「執事」は海外における複数の役職に対応しており、例えば
英語でこれに当たる語には 、、、 などがあり、後二者はキリスト教における職位を指す用語である
鎌倉幕府においては、
政所や
問注所に執事職が置かれていたが、室町幕府の成立後には代々
足利氏の
家宰を務めてきた
高氏の
高師直がそのまま
将軍家の家政を預かって執事と呼ばれるようになった。だが、
幕府という仕組みそのものが将軍家の家政機関としての側面を持っていたことから、
恩賞や
所務沙汰など重要な政務にも関与するようになった。だが、高師直はその後攻め滅ぼされ、以後は
仁木氏や
細川氏といった足利一族が執事に就任する。
細川清氏が執事に任命された際に
管領(かんれい)という別称が用いられるようになり、続いて
斯波高経が後任となった際に自らは「管領」を名乗り、
嫡男義将に「執事」の称号を名乗らせて共同で政務を執ったが、当然父である管領・高経が実権を持ち執事・義将はその補佐役に過ぎなかった。
貞治6年(
1367年)、
細川頼之が
足利義詮の
遺言によって新将軍・
義満の補佐・後見を任されると、管領として幕府の全権を掌握した。これ以後「管領」の呼称で統一されて執事は使われなくなった。