日本SF大賞を受賞した
堀晃の
ハードSF短編集「太陽風交点」のハードカバー版を出版していた
早川書房が
ハヤカワ文庫版の「太陽風交点」を出版しようとしていたところ、堀晃が日本SF大賞を後援する
徳間書店と文庫版の出版を契約、早川書房が
徳間文庫版の出版差し止めを求めて徳間書店と著者の堀晃を訴えた事件。早川書房の敗訴により、ハヤカワ文庫版はお蔵入りとなった。この裁判は、その後の日本SF界に禍根を残す結果になった。
書籍(単行本)の出版から3年程度で文庫本を出版する慣例があり、その間は単行本を出版した出版社(先行業者)に出版権がある。また、3年を経過した後も、他社は先行業者の同意なしには出版できない。よって徳間書店との契約は二重契約にあたり無効である。
作家を出版社が訴えたこの事件により、かねてから早川書房の待遇に不満を募らせていた日本のSF作家の第一世代が早川書房を離反した。そのため、早川書房発行のSF専門誌『
SFマガジン』は1980年代以降、日本人SF作家が世代交代し、第三世代と呼ばれる新人の活躍の舞台となった。また、しばらくの間、徳間書店が後援する
日本SF大賞は、早川書房で発表された作品は受賞できないとSFファンの間では噂された。