二十三回から10回に渡り主人公として活躍し、特にこの10回のことは「武十回」と呼ばれる。同じ四大奇書の『
金瓶梅』はこの「武十回」と登場人物、内容が重なっており、「武十回」を膨らませるような形で『金瓶梅』が生まれたとされる。また、孟州到着までとその後で性格が変化していることから、元々は主人公も別の異なる話を組合わせて作られたとされ、水滸伝が様々な説話を集合させて作られたという説明の引き合いに出される事が多い。
酒のため誤って役人を殺してしまった、という理由で
柴進の屋敷に身を寄せ隠れていた。そこで逃亡してきた宋江と出会い、彼と義兄弟の契りを結ぶ。その後、殺したと思っていた役人が実は失神しただけで死んでいなかったことが分かったので、故郷の清河県に帰る途中、偶然出会った景陽岡の人食い
虎を退治したことにより、陽穀県の都頭に取り立てられる。更に偶然その街で働いていた兄武大と再会したが、武大は武松が出張している間に嫂の潘金蓮とその情夫
西門慶に毒殺されてしまう。確かな証拠を掴んだ武松は仇として潘金蓮と西門慶を殺害。その後自首し、孟州に流罪となった。
護送中、立ち寄った酒屋(
張青、
孫二娘夫婦が経営)で店主に振る舞われた酒に一服盛られ、危うく肉料理にされかかる。また孟州では典獄の息子であり盛り場の顔役であった
施恩の世話となる。施恩と盛り場を巡り対立していた
蒋忠を叩きのめしたことにより恨みを買い、その親分で役人の
張蒙方に冤罪を着せられて再度流罪に問われてしまう。更に護送中に刺客に襲われたことにより激怒し、刺客、護送役人、更に蒋忠と張蒙方一家とを皆殺しにしてしまう。今度は自首せず逃亡し、その途中、偶然張青と孫二娘に再会する。そこで張青に既に
魯智深や
楊志がいる青州二竜山の山塞へと入山することを勧められ向かうこととなる。この際、追手から逃れる為に修行者に変装したのが渾名の由来である。二竜山へ入山後、その後合流した施恩、
曹正、張青、孫二娘らと共に青州で一大勢力を築く。
しばらく後、梁山泊の攻略に失敗した
呼延灼が青州で再起を図り桃花山を攻めた際に再登場し、青州三山と
梁山泊合同軍での青州攻めに加わった後そのまま梁山泊へと入山。歩兵軍の頭領の一人として活躍したが、
方臘討伐の際に敵の
道士・
包道乙と交戦して片腕を失い、凱旋途中に駐屯した
杭州六和寺で寺男となりそのまま残った。
中風で倒れた
林冲の看病に努めたが半年で林冲も死に、その後80歳で天寿を全うした。