歴史的にみると、「自分史」という言葉に市民権が与えられるようになったのは、歴史家
色川大吉の『ある昭和史 - 自分史の試み』(
1975年、
中央公論社)の出版以後だろうといわれている。これは、専門の歴史家が提起した概念であること。また、無名の人々が真実を表現する行為に、歴史としての意味があることがはじめて主張されたからである。同書中で色川が紹介している、
橋本義夫による「
ふだん記運動」という民衆運動は、
やまびこ学校などの「生活綴り方運動」に代表される戦後日本の民衆記録運動の一形態ということもできる。